2008年12月28日

二宮清純「プロ野球の一流たち」

(Ser.1979)
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さて、今回は各球団振り返り企画参加エントリーは1回パスして、ついさっき読了したばかりの本の感想文を。
         ↓
二宮清純「プロ野球の一流たち」 (講談社現代新書)
内容紹介
野村克也の配球学、工藤公康のバッテリー論、中西太の強打者育成術――山ア武司打撃開眼の理由とは?新井貴浩はアニキを超えられるか?松坂大輔永遠の課題とは?中西太が語る打者育成術、野村克也の配球術──。人気著者が探る日本プロ野球の真髄!

目次
○はじめに

第1章 監督の極意、投打の奥義
・野村克也の「配球学」
  開幕戦で最強・巨人を葬った理由/内角球の意味/弱者の戦略
・中西太「育てる打撃論」
  若松勉と内転筋/アウトローの葉っぱを打て/フォー・アイズと「何苦楚」
・稲尾和久に捧ぐ――中西太インタビュー
  「練習マウンドが宝の山に」/「長嶋は何も考えていなかった」/三原監督16年目の謝罪/風雲に乗って
・大野豊のピッチング論
  江夏豊に導かれて/松井秀喜、立浪和義、落合博満……

第2章 名選手たちの技術と陥穽
・松坂大輔論――東尾修インタビュー
  メジャー1年目の試行錯誤/指先に永遠の課題が
・清原和博は強打者か
  4番打者としての実績/死球禍とバット投げ
・土井正博「名伯楽のインコース論」
  清原とインコース攻め
・新井貴浩は「アニキ」を越えられるか
・渡辺俊介、サブマリンの極意
  ぼくはストレートを投げない
・山ア武司のホームラン人生
  打法改造という勇気/スイングをする根拠
・工藤公康「バッテリーとは何か」
  軸回転とタテ回転/城島はなぜ大成したか
・古田敦也「日本野球のために」
  一振り勝負の真髄/18年間の波瀾万丈を語りつくす/野村監督の本を読破/荒木大輔に出したサイン/イチローの攻略法は/球界再編の裏のシナリオ

第3章 日米の野球格差を問う
・松坂大輔ポスティング移籍を考える
  サイ・ヤングと野茂英雄/イチローの「4倍」/代理人・ボラスの手腕/松坂のコントロール/ボストンで子育てを/日本球界がやるべきこと
・野球超大国アメリカの品格
  WBC日本優勝の陰で/米国有利の試合日程/波紋を呼んだ“誤審事件”/アメリカ早期敗退の影響
・バリー・ボンズと薬物問題
・日米野球格差の本質――団野村の警告
  代理人と労使協定/メジャーの経営戦略と日本の無策

第4章 日本野球を脱構築せよ
・裏金問題と日本球界の体質
  きわめて悪質な所業/元スカウトの証言/球団経営を圧迫するシロアリ/資金管理団体を
・特待生問題と高野連
  プロのほとんどは元・特待生/朝日新聞社と高野連/「興行の論理」そのもの/斎藤も田中も“野球留学生”
・独立リーグという可能性
  アイランドリーグ・ドリーム/独立リーグとNPBの関係/BCリーグの成算/BCリーグ・金森栄治の夢

新書としてはかなり内容の濃い本で、野球の技術面を重視する方は第1章と第2章を、野球の環境面を重視する方は第3章と第4章を集中的に読むといいと思います。

もっとも、この本は、『本』(講談社)に連載された「新日本野球紀行」を元に再構成し、大幅な加筆修正を加えたものが主(一部、『現代』(講談社)に掲載したものもあり)なので、元ネタがあるわけですが。。。

話はそれますが、ここで「新日本野球紀行」って書こうとしたら、「新日本野球機構」って変換されました。著者には有識野球系ブロガーさん(Ranking)たちと組んで「新日本野球機構」を立ち上げてもらってもいいとも思いましたけど。。。。

以下、備忘録としてメモ
<ノムさん>
・最近のバッターはシュートを打つのが苦手(ノムさんから川崎投手へ)
・内角球は勝負球ではなく意識づけ

<中西 太>
・内角を打つには内転筋を鍛える
・ひとついいところがあれば褒めてやる。長所を伸ばす。
・来た方向に打て
・大事なのはフォー・アイズでボールを見ること(4つの目⇒2つの目と両足裏)

<大野 豊>
・変化球にキレがあるのは、社会人時代に札勘定で手がやわらかくなった(川口和久談)
・左では立浪和義、松井秀喜、右では落合博満が嫌だった
・プロで通用する条件:いかに仕事に責任感をもってやるか/ヘンなこだわりを捨てること

<清原和博>
・強打者と呼ぶことへの是非
 非:無冠、内角に弱い
 是:4番打者としてチームを何回も優勝に導いた/大舞台に強い/ホームランを広角に打ち分けた
・(死球に怒ったことに対し)内角を攻めるというのなら、メジャーリーグみたいに外角を広くするしかないよ(桑田真澄談)

<土井正博>
・内角を打つコツ
 ⇒腰は逃げていても左肩(右打者の場合)だけは残す
 ⇒体を開かずに踏み込んでいく
・どのボールにも食らいついていけるかが、伸びるバッターのポイント

<金本知憲>
・山本浩二談
「入団した頃は、バッティングも守備もダメ、足だけはそこそこ。とてもレギュラーになれるレベルではなかった。ところが、ハートだけは強い。打てなくても粘ってフォアボールを取ってくる」
・新井貴浩がアニキに追い付くには、四球と出塁率を確保すること

<渡辺俊介>
・球が走ってるとかえって打たれた
・2003年の初登板(BW戦)で大炎上。以後、(球の走り・キレより)抑えることに徹した
・遅球王:星野伸之談「”どうぞ打ってください”くらいの気持ちで投げた方がかえって打たれない」

<山崎武司>
・本人談:中学時代に相撲部屋から誘いが来た。そのままやっていれば、大関にはなれたかも
・1996年に初のホームラン王〜開幕2週間前に脇腹を痛め、恐る恐る星野監督に告白したら、休んでもいいと言われた。それが効を奏した
・以後、伸び悩み、環境を変えようと2001年オフにFA宣言。しかし、山田新監督に引き留められ翻意。しかし、山田の構想から早々と外れる
・その後、平井正史とのトレードでオリックスへ。レオン・リー監督のときは良かったが、機動力野球重視の伊原監督には干され、2004年オフには戦力外に
・そこで引退となるところ、田尾監督に誘われ楽天へ。「重心を後ろ足に残して打て!」のアドバイスで復活
・野村監督には「考える野球を学んだ」
・これまでで対戦した投手で一番速かったのは津田恒美さん
⇒ご参考:山崎武司「野村監督に教わったこと」


キリがないので、皆さんが一番知りたいと思われる古田、松坂、団野村、MLBの薬物汚染、NPBの裏金問題のところ(←このあたりは「二宮清純」でGoogleればいくらでも出てくるし)は飛ばして、最後に「BCリーグ(石川ミリオンスターズ)金森栄治監督の夢」の章の
「基本の習得」
「長期的な視野に立った展望」
「正しいことをしていれば結果はおのずと後からついてくる」
「自分の考えるファンサービズとは、一緒になってグラウンドで野球を楽しんでもらうこと」
を紹介して本エントリーを締めます。

著者略歴
二宮 清純
1960年愛媛県生まれ。フリーランスのスポーツジャーナリストとして、野球、サッカー、ボクシングなどを取材。新聞、雑誌、テレビ等を舞台に幅広く活動中。株式会社スポーツコミュニケーションズ代表取締役
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

posted by スーパーサウスポーあさちゃん。 at 10:31| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ関連読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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