上田 誠「エンジョイ・ベースボール〜慶應義塾高校野球部の挑戦」(生活人新書)
日本野球に欠けていたものが、ここにはある
近年、野球人口が減ってきているという。その原因は軍隊式の旧態依然とした野球の雰囲気にあるのではないか。野球を楽しむことを第一に、自主的に練習に取り組むことで強いチームになれることを実証した慶應義塾高校野球部の考え方と、その実際を紹介する。
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【気になった内容紹介】
・「エンジョイ=お気楽」ではありません。
自分で考えるというのは選手も指導者も結構しんどいものです。
・ピッチャーの日米比較
<米>背が高いほど角度のある球が投げられるからいい
<日>コントールが良く最高の運動能力を持った選手がなるもの
・部訓を作る
・冬休みには本を読ませる
・頭ごなしに言うより、下手に出てコントロールする方が快感
【所感】
この本、岡田監督に読んでもらいたいです。
最後に「アマチュア野球への提案」ということで、
1.トーナメント戦のみでなく、リーグ戦を取り入れる
2.高校生と小学生の交流を行う
3.海外との試合をする
4.公式戦の日程をゆるやかに
5.指導方法をどんどん公開する
の5点が挙げられていました。
1.については、特待生制度を自主申告した高校間で新組織を結成して、その中でリーグ戦をすればいいと思います。
リーグ戦も地域リーグをベースに夏休みには地域リーグの成績上位校同士の全国大会やら下位同士の交流戦やら、バラエティに富ませて日程もきつくなく、1試合ごとの投球制限も取り入れるとか、選手交代を義務付けるとかしたらいいと思います。
他の提言についても、著者の言うとおり。
特に、5.の指導方法の公開が一番の要。合わせて収支も公開して、透明性を高めることが肝要だと思います。
【参考エントリー】
・新刊のお知らせ 『エンジョイベースボール』(神奈川高校野球ステーション)
・上田誠「エンジョイ・ベースボール」(1)(片雲の風にさそはれて)
・エンジョイ・ベースボール(ZAWA talk)←体験者のエントリー
実際は私が2年のときに上田さんが転任されてきて、最初の2年生世代だったんでそこまで浸透できなかった記憶があります。
でも、あのおかげで野球が嫌いにならないで済んだような気がします。
>実際は私が2年のときに上田さんが転任されてきて、
旧来の方法と上田さんの方法と両方が経験できたのはある意味貴重だと思います。